最近の女性研究者を増やそうという動きについて

スペインでは、基本的にどの委員会にしても、男女は半々で構成されるべきという考え(ルール)がある。これは日本にはあまりない考え方で、日本はどちらかというと、新しく採用する人について男女比を無理くり是正しようとしているように思える。選ぶ側、もしくはルールを作る側を男女半々にすることに対する重要性についてあまりピンときていないのではないだろうか。おそらく多くの男性の方でも、出産や育児が大変だという「知識」はあると思うのだが、意図的ではなくルールを作るときに思い至らない見過ごされることがあるのだと思う。

例1:さてコロナになってルールを作りましょう、となった時に男性が思う最初の問題は仕事のリモート化だと思いますが、女性だったら育児どうしようということになるかもしれない。ルール作りに参加するのが男女平等でないと、少数の方が見落とされるのが常だろう。今ある構造的な問題はそうしたことが積み重なったことではないかと最近思うようになった。

例2:新しく人を採用しましょうとなったときに、就職を希望する女性が「子供を持つことを希望します」と言うことを考えてみる。その受け取られ方は男女の委員で大きく異なるのではないか。女性だったら「そうだよね〜」となるところ、男性だったら「仕事に穴が開く」と言う考え方になってしまわないか?(わたしが悲観的なだけだといいが。)

そう思うと、選ぶ立場の人間が男女半々であることはかなり男女数のバイアスを減らす(また、男性にとってもマイナスにならない)ことにつながる。男女平等とは男女を同じように扱うことではなく、男女の違いがあることを認めて共生していくことかなと個人的には思う。
ところで、うちのボスは女性ですが、常に委員会に呼ばれるので忙しすぎると嘆いている。男女半々でないことの歪みですね。余談になりますが、例えば何かの研究プロジェクトを男性だけで構成したりすると(偶然であっても)冗談で男子グループとう揶揄される(冗談ですが)のがスペインの研究者コミュニティ。

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